心を此処に置いて行け、ぼくがその心を海へ持って行く。
海の底へ優しく引き込む、まるで誰かの手を取るように。
ゆわりと砂が踊る、地に着いたら塩の匂いが香るだろう。
すぅっと喉を水が通るように、心が海へ落ちて行く。
ぷくっと金魚が泡を吹くように、鏡の泡は漏れてくる。
そうして落ちて行く心、空っぽの心を満たす母なる海。
波が心を描き出す、揺らめく瞳、映し出すのは北極星。
記憶の糸を辿って、海底遺跡に隠された、幻の心を探し出す。
大航海を終えた海賊船、真っさらに奪われた世界、探求者たち。
心の奥、海の底で待つ、最後の宝石。