鍵のない図書館

好きな食べ物はバナナのパウンドケーキ

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

読者登録100人を迎えて

私事ではありますものの、この度、読者登録が「100人」を迎えました。 いつも立ち寄っていただいている、どこの誰かも分からぬ皆様、ありがとうございます。 なんのまとまりもない文章に目を通していただいて、嬉しいです。 私も訪れられた方のBlogには、で…

潜水士が乗る船

塞き止める、僕は今、水の中にいる。 ちっとも苦しくはない、そこで水が外へ溢れ出すのを防いでいる。 ここは教室、いわゆる高校生、先生...先生...先生。 沈んだ教室に小魚の群れが来る、地震のように揺れる。 そこに大きなシャチが来る、あるすべてを平ら…

20th Century Boy

夕暮れを顔に滲ませながら、疲れた顔で帰る人々。 少しホッとしただろう、一日が何事もなく過ぎて。 夜ご飯はなににしようか、インスタントでもいい。 急ぎ足で歩く人、肩を落としながら歩く人、怒りながら歩く人。 僕らはよくやっているはずだ、我慢は続か…

月面着陸にはタイムマシンを携えて

星空の歩き方を知っているか、手鏡を持ってくるといい。 それを目元に当てると、君の眼下に広がる宇宙。 あっという間に大気圏を越えて来た、君は今、無重力。 ごちゃりとした社会を抜け出して、地球を越えて、空を飛び越えた。 そして君は今、宇宙を歩きに…

僕、パンク・ロックを聴いた

スーパーで花火を買った後、汗を拭いながら駐車場へ歩く時だった。 「僕、パンク・ロックが好きだ」 「中途ハンパな気持ちじゃなくて」 「本当に心から好きなんだ」 喧騒をぶち壊して爆音が響く、車から響いているようだが姿は見えなかった。 あの一瞬が、そ…

霧に沈む喫茶店(2)

人参のスープとタコライス、どちらもとても美味しそう。 スープからはほのかに湯気が立ち昇り、タコライスからは焼きチーズの香りがする。 僕はこの二品を頂くことにした、窓の外ではまだ雨が降っているよう。 静かに雨音を耳にしながら食べ進めていると、精…

霧に沈む喫茶店

大通りから脇道に抜けると、喧騒は遠のいた。 人混みを離れ、森の香りが漂ってくる小道を進む。 雨上がり、雨粒が滴る小人の道を抜けると、妖精が訪れるような珈琲店がある。 木々に囲まれたその店は、人間界を抜け、どこか異国へ通ずるような佇まいである。…