鍵のない図書館

好きな食べ物はバナナのパウンドケーキ

青ざめた瞳の奥、さらにその奥。

・奥の奥の奥

 「字は人を表す」と、一度は聞いたことがあるだろう。

勿論、文字を書くにあたり字が綺麗なことはいい。見る人が見れば、その人がどんな人間なのかを想像できる人がいるのかも知れない。あくまでも僕の場合、字ではなく「目」にその人の人間模様が描かれている。

 

 突然だが僕は、「品定めをするような目」が嫌いである。なんとなく伝わるだろうか、例えば人事の目、セールスマンの目、ゴミを見るような目。僕はなにもこれらに対して、否定的なわけではない。僕が苦手なのである。心の奥まで見透かされているよう、などと言うつもりはない。逆に上辺だけしか見られていないように思う、本当に心の奥を見ようとする人間は、そんな安っぽい目はしない。瞳の奥に、優しさが滲んでいる。

 

 目を見れば大抵のことは把握できる。辛そうな人間は辛そうな目をしているし、その逆もまた然り。夢を追う人間の瞳が一番、綺麗なのではないか。それは人が「虹」を見る目と似ている。そういう儚く消えるもの、それがいい。僕は人間が他人にしてやれることなど、たった一つ「優しさ」だけだと思っている。他にはなにもないし、なにもできることはない。この優しさを、散々こねくり回して捉える人がいる。別にそれはいいが、シンプルに疲れてしまう。

 

こういう文章を作る時はまとまりがいつもないので、ここまでとする。

寝る前に羊を数えるというよりは、変態を数えることについて。

 ・世の変態について

 一言に「変態」とまとめてしまっても、数ある変態がいる。自覚のない変態、変態的な変態、本物の変態。これらを総じて変態と言うなれば、世の中は既に変態で溢れ返っている。国家は停滞し、警察は腐敗し、常識は崩壊する。もしもこの国に、変態しかいなくなったら、日本はどうなるだろう。右と左が逆になり、日本語に謎の言語が入り込み、逆立ちで歩いている人が出てくるかも知れない。そういう世の中にならないためにも、ルールがある。ルールを守らなければ、変態だらけとなるであろう。

 

 君は昨今、現代をどう見ているか、なにを見て、なにを見ていないか。「見方」を変えることは簡単である。子供は特にそういうことが得意な気がする、足を広げ、そこから顔を覗かせるだけで、世界はひっくり返るのである。ひっくり返った後の世界を、想像して欲しい。そこに君の居場所はあるか、愛する人は存在しているか。

  世の中は今、とても忙しく動いているが、文字通り「世界がひっくり返る」ことは起こらない。起こらないが、「もしも」の時に備えて世界を予測し、構想している人達がいる。この世界は僕のものでもなければ、賢しい人のものでもない。たった一つの真実と、描いた夢で現実が構築されている。

 

夢が現実に少しずつなろうとしている。君の世界は君にしか分からないし、変えられない。

青木ヶ原樹海の木々のざわめきと、沈黙。

・僕の感覚

 夕陽に赤く染められた富士山、その麓に広がる広大な自然。人は自分の中にある、本質的なものを求めている。無言の木々、頬をかする風、持ち主のいないゴミ。樹海には「魔物」が潜んでいると、感じたことはないか。

沈黙が支配する、あまりにも美しすぎる森。その奥に潜んでいる「なにか」、時折そのなにかの息を感じる。車道を走る車の走行音が、彼を引き戻す。あの奥、木々の間から覗く魔物の眼。あそこには、なにかが確実に、そして絶対的な力を持って存在する。

それは誰かにとって、救いかも知れなければ、答えなのかも知れない。自然を取り込み過ぎて、人間的な許容量をオーバーすると、人は魔物になるのではないか。それが或いは「鬼」、或いは「天狗」、或いは「妖怪」へと変貌する。こういった人外の類いは、原点はみな人間だったのではないか。人間には様々な可能性があるのだと知る、魔物は夕暮れに現れる。

 

富士が赤く染まった時、樹海は「魔物」になる。

衝動は赤、人魚のラーメン。

・味のする文章を作ろうと思う、今日はそれだけ。

 衝動は「赤」これは伝わるだろうか、伝わらない人はセンスがある。

君は「人魚のラーメン」を食べたことはあるか、僕はこれから食べるのかも知れない。

人魚のラーメンとは、なにも人魚から出し汁を取っているわけではない。

 

人魚の音色を聴いた者が食べられる、幻のラーメンなのである。

 

注文したラーメン、運ばれてきたのは空の器だった。

僕は思わず店員を見る、そこには誰もいない。

空席に人の気配がある、姿は見えない。

 

厨房からは換気扇が回る音がする、店内からはJazのような音色がする。

僕はここで一人、もう一度、器を確認する。

そこには海がある、今、地平線に夕日が沈もうとしている。

 

まるで誰にも見られぬように、そっとラーメンの器の中で、夕日が沈む。

 

「人魚のラーメン」と、Jazの音色に混じって声が聞こえた。

隣のカウンター席に一人の女がいる、こちらを見ずにラーメンをすすっている。

横顔の美貌には似合わず、豪快にラーメンをすする。

 

夕日が海へ沈む、店内の照明が落ちる。まるで落雷を受け、停電になったように。

Jazの音色が聴こえる、ラーメンをすする音がする、器が豆電球の色を放つ。

今、今じゃないといけない、僕はラーメンが食べたい。

 

お腹が空いてきた、空の器になにを入れる。

醤油ラーメンか、豚骨ラーメンか、味噌ラーメンか、まぜそばか。

トッピングはどうする、チャーシューか、ニンニク多めか、味付け海苔か。

 

この空の器には、あなたの食べたいラーメンが入る。

今まで食べてきた中で、とびっきりのラーメンが。

あなたの空腹、あなたの欲求を満たすラーメンが入る。

 

額に滲む汗、口の中に広がるニンニクの香り。

水を飲む喉の音、レンゲにすくったスープ。

頼んだご飯はまだ来ないのか、麺を噛む感触。

 

「人魚のラーメン」

 

巨人が使うようなレンゲが現れる、ラーメンをすする音がする。

僕はそのレンゲにすくわれて、大きな口の中へと吸い込まれていく。

 

しばらくすると、僕の目の前にラーメンが運ばれてきた。

注文した味噌ラーメン、味付けタマゴ付き。

 

店内にはJazの音色が響く、店員の顔を見ると、どこかで見たことのある横顔だった。

調味料は入れない、いただきます。

僕はデーゼルエンジンの音と、エナドリと煙草、たまにブッラクサンダー。

・要するにコンビニを見る度に、喫煙所が生きているか。生きていたら煙草を吸って、エナドリでキメる。
  1. 僕が感じていること、考えていること、見ていることを言葉に乗せます。
  2. どんなことを書くか?或いは事実、或いは妄想、或いは哲学的な文章を作ります。
  3. 文法とかは気にしません、文章の響きや言葉の美しさを意識します。
  4. 「変わっている」と言われてしまえば、この話はこれで終わります。
  5. 文章を作る時はキメて行きます。

「僕」或いは「私」という人物について、簡単に説明します。それが見出しです。

加えると、食事をしないとめまいがします。説明は以上です。

 

 昨日の夜更け、さざ波の音が部屋にこだましていました。

彼は浜辺で宙から落ちてきた砂で、城を作ります。

誰も知らない所で、誰にも分からない所でした。

 

小さな部屋にさざ波の音が響きます、僕の耳のすぐそばで。

心が一度だけ、日常から零れ落ちました。

海にポチャンと落ちる音が聞こえます、拾い上げるのは疲れた人魚。

 

彼が作る城の中には、或いは夢が、或いは虹が、或いは僕が入っています。

潮が満ちて来ました、なにかが産まれるのを彼は感じとります。

心を手にした人魚は、浜辺で彼と出逢います。

 

このブログを見ているそこの人、あなたの心の中は僕には分かりません。

僕の心の中にも同じことが言えます、私はこういうことを考えて生きています。

 

要するに、僕はめちゃくちゃな文章を作るのです。